疲労回復

しじみとオルニチンサイクル

お酒をたらふく飲んだ次の日、頭が重い、体がだるい、気分が優れないなど様々な症状に悩まされます。
しじみ汁の磯の香りを嗅いだだけなのに気持ちがなんとなく落ち着いてくる、飲んだら爽快な気分になって元気もわいてくるのはなぜなのでしょうか。
この時体の中ではとても複雑で高度な働きをしてくれているのです。

疲労感を増幅させてエネルギーが出にくくさせている張本人はアンモニアです。
このアンモニアを無害な尿素に作り替える仕組みがオルニチンサイクルです。
尿路サイクルとも呼ばれています。
すべて肝細胞の中のさらにミクロなミトコンドリアという細胞組織の中で起きています。

しじみを食べた時にオルニチンが増加して尿路回路の潤滑油のような働きをします。
さらに尿素が増える事でオルニチンが今度は体内で作られてサイクル運動に加わっていきます。
こうして有害物資であるアンモニアはどんどん尿素に替えられていきます。
さらにもう一つTCAサイクルという代謝サイクルも同時に起きています。

これはブドウ糖の一種グルコースとグリコーゲンを作る仕組みです。
これらはエネルギーの元になります。
こうした動きは肝臓の中では常時行われているのですが、アンモニアがこの働きのじゃまをするので二日酔いの朝はなんとなくだるく感じてしまうのです。
オルニチンサイクルが正常に機能している間はエネルギーはどんどん作られていきますから、肝臓も元気になれるわけです。
ところがアンモニアがあまりに増えすぎると、せっかくの良い機能が機能しなくなるのです。

そして悪い病気をどんどん作っていきます。
サイクルがうまく循環してくれるように、日頃から健康を意識した生活を送るように心がけましょう。
しじみだけ食べていれば良いという事ではなく、バランスの良い食事をする事と適度の運動をしていく事でオルニチンサイクルを助ける事にもつながっていくのです。
何事もバランスです。
それにしてもしじみのような小さな貝がこれほどまでにわたしたちの健康を支えてくれているというのは、これだけでも感動します。