疲労回復

しじみがアンモニアを分解

日本人には欠かせないお味噌汁は美味しいだけではなく、言うまでもなく健康の源です。
何はなくてもお味噌汁を飲んでいるだけで毎日をはつらつと過ごせるという人は大変多いです。
子供からご高齢の人まで世代を超え、性別を超えて誰でも同じくその恵みを堪能できるという意味でいえば究極の健康食品とも言えます。
また具の組み合わせによってバリエーションが際限なく広がっていくというのも、お味噌汁の魅力です。
その中でこのたび注目して欲しいのはしじみです。

ぷ~んと鼻先に香ってくる海の香りは、なんとも言えないほどの幸せ気分にしてくれます。
特に気分がすぐれないような最悪の朝など、しじみ汁を一口すすっただけなのに体が軽くなってくるのは不思議です。
実際に二日酔いの次の朝にしじみ汁は定番メニューと言っていいほどすすめられます。
日本古来、しじみ汁は疲労回復や重労働の後のエネルギー源と信じられて来たのです。
まさにおばあちゃんの知恵です。

実は私たちが普段何気なく続けてきたしじみ汁の習慣は、科学的にも根拠のあるものだったのです。
しじみに豊富に含まれるオルニチンという成分が、肝臓を元気にしてくれる働きを持っているという事が研究によって明らかになりました。
なぜ子供から高齢者までしじみを美味しいと感じるかというと、オルニチンには旨み成分であるコハク酸というアミノ酸の一種である成分が豊富に含まれており、このコハク酸が肝臓に良い働きをしてくれているからです。
主要効果としてあげる事ができるものにアンモニア解毒作用があります。
アンモニアと言えば思い出すのは“汗“や体臭ですが、これらが解消されるわけですから当然親父臭の解消にもつながっていきます。

最も顕著なのはアンモニアによって引きおこされる倦怠感や疲労感です。
これらは肝臓機能が低下してくると悪化してくることはよく知られています。
二日酔いの次の朝にしじみ汁をすすっただけで、頭も体も軽くなったように感じるのはこのためなのです。
こうしたすぐれた機能がしじみにある事を本能的に知っていた昔の人の知恵に驚かされます。